

引き戸が最後、
静かに閉まる。
初めてこれを知った時は
感動したものだな〜
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それでは、
2026年7月25日(土)号
よろしくお願いします。
お引き渡しの中で、
チェックしながら、引き戸を閉じた。
勢いよく閉まっていくが、
最後の数センチのところで
減速し、すっと閉まる。
普段は、何も感じることはないが、
「そうそうこれって
昔の家にはなかった機能だよな〜
これいいんだよな〜」
と、引き戸のソフトクローズ機能に
ついて考えてみた。

家の中で、
「これがないと生活できない」
というほどではないけれど、
一度その便利さを知ってしまうと、
「もう、ないのは嫌だな」
と思うものがあります。
僕にとって、その一つが、
ソフトクローズ機能
引き戸やキッチンの収納を閉めるとき、
最後のところでスッと減速して、
静かに閉まってくれる機能です。

今では当たり前のように感じますが、
昔の引き戸には、
もちろんそんな機能はありませんでした。
私も子どもの頃、
実家の引き戸に指を挟んだ記憶があります。
勢いよく、
「バン!」
と閉まる引き戸。
閉まる瞬間に指を引くのが間に合わず、
「痛い!」
となった。
詳しい場面までは覚えていなくても、
指を挟んだときの痛さや恐怖は、
なぜか記憶に残っているものです。
昔の引き戸は、
閉める人が力加減を
覚えなければなりませんでした。
強く閉めれば大きな音がする。
弱すぎれば、最後まで閉まらない。
だから、
引き戸を静かに閉める動作には、
その人の丁寧さが表れていたように思います。
以前、旅館に泊まったときのことです。
女将さんが部屋から出ていく際、
引き戸を最後まで手で支えながら、
スーッと、
静かに閉めていきました。
その姿が、とても印象に残っています。
音を立てないように、最後まで手を添える。
ただ戸を閉めているだけなのに、
そこに相手への気遣いや、
おもてなしの心が表れていました。
日本の引き戸には、
そんな美しい所作も
あったのだと思います。
しかし、毎日の暮らしの中で、
家族全員が毎回、
女将さんのように静かに戸を
閉められるかというと、なかなか難しい。
子どもは勢いよく閉めます。
急いでいるときは、
大人でも強く閉めてしまいます。
そこで、その丁寧な動作を、
金物が代わりにやってくれるようになりました。
それがソフトクローズ機能です。

ソフトクローズは、
1990年代後半から少しずつ登場し、
2000年代半ば、2005年頃から本格的に
普及していったといわれています。
もともとは海外の高級システムキッチンや、
日本の高級な住宅設備などから採用が進みました。
トイレの蓋が、手を離してもゆっくり閉まる。
キッチンの引き出しが、
勢いよく押しても静かに収まる。
そして、引き戸も最後のところで減速し、
音を立てずに閉まる。
昔は人が気をつけていたことを、
今は設備や金物が自然に助けてくれています。
これは単なる便利機能ではありません。
大きな音がしない。
指を挟みにくい。
建具や収納に強い衝撃が加わらない。
家族が寝ている時間でも、静かに開け閉めできる。
一つひとつは、とても小さなことです。
しかし、引き戸やキッチンの収納は、
毎日何度も使います。
一日に10回使う場所であれば、
一年間で3650回。
10年間なら、3万6500回です。
家の快適さとは、
特別な日に一度だけ感動することではなく、
毎日繰り返す動作の中で、
ストレスを感じないことなのかもしれません。
ソフトクローズ機能は、
なくても暮らすことはできます。
付いていないからといって、
家として成り立たないわけではありません。
しかし、一度その静かさと安心感を知ってしまうと、
「ないと嫌だな」
と思ってしまう。
家づくりでは、
広いリビングや豪華なキッチンなど、
目立つ部分に意識が向きがちです。
けれども、本当の暮らしやすさをつくっているのは、
こうした目立たない小さな機能です。
昔は、女将さんの美しい所作によって静かに閉められていた引き戸。
今は、ソフトクローズという技術が、
私たちの暮らしの中で、
同じような優しさをつくってくれています。
便利になったというだけではなく、
暮らしの中の気遣いを、仕組みにした。
そう考えると、ソフトクローズは、
とても日本の住まいに合った機能なのかもしれません。
ところで、
ソフトクローズ機能は、ゆっくり閉まるから、
せっかちな人は、最後の静かにしまっている時に、
ぐっと手で力を込めて押し込むことがある。
でも、これをやってしまうと、故障の原因に。
故障すると、バタンって閉まる引き戸になってしまいます。。
ブログNO 4165
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