Useful Column

家づくりの中で、意外と見落とされがちなのが「電気配線の計画」です。
特にコンセントの数や位置は、実際に住み始めてからの快適さを大きく左右します。
現在の生活スタイルと将来の変化を予測して、安全で使い勝手の良い配置を考えることが大切です。
コンセントを後から増設するのは高コストになるため、悩んだ時には少し多めに計画しておくことも大切です。
ただし、無計画に数を増やすのは費用がかさむだけで、無駄に終わることも考えられます。
ここでは、実際によくある失敗例をご紹介します。
こうした事例を参考に、「自分たちの暮らし方に必要な電源」を想像しながら計画していきましょう。
1. 現在使っている家電を把握する
今、使っている家電や今後購入予定の家電をリストアップし、必要な差し込み口を確認しましょう。
2. 家具と家電の配置を間取り図に落とし込む
テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの固定家電や、ソファ、ベッド、デスクといった主要な家具の配置を具体的に決めておきましょう。
3. 目的と生活動線を考えて位置と数を決める
掃除機、スマートフォン充電、季節家電など、一時的に使うものの使用場所や、家事・生活動線を考慮してコンセントの位置を決めていきます。
4. 将来の可能性や全体のバランスを考慮し追加・調整する
子供の成長によるデスク周りのPC使用、将来の家電増加、電気自動車の充電、防犯カメラなど、将来的なニーズを具体的に予測してコンセントを追加しておくと安心です。
1. タコ足配線と家具隠れを防ぐ

コンセントが不足すると、タコ足配線による火災リスクや、家具の裏に隠れたホコリによるトラッキング現象の危険性が高まります。
コンセントは家具に隠れないように、また、部屋の対角線上に分散させて配置すると、延長コードなしで広い範囲をカバーできます。また、コード式の掃除機をお使いの方も使いやすくなります。
2. 大容量家電には専用コンセントを

電子レンジ、エアコンなど、消費電力の大きい家電は、専用回路を設けることでブレーカーが落ちるのを防ぎます。そういった家電を使うために用意するコンセントがある場合は、打合せ時にお伝え頂くと安心です。
3. 用途に合わせた特殊コンセント

・アース付コンセント:
洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどの水廻りの家電で、漏電時の感電防止のために設置します。

・防水コンセント:
高圧洗浄機、イルミネーション、電気自動車、防犯カメラなど、屋外で使用できるコンセントです。

・LAN・TVコンセント:
LANは、インターネットのルーターやパソコン等を有線で使いたい場所に設置します。
テレビコンセントは、地上波番組を受信して視聴するテレビの設置場所に合わせて計画します。
コンセントの位置や数は、「今の便利さ」だけでなく「将来の安心」にも関わる大切なポイントです。
暮らし方や家族構成の変化も見越して、じっくりと計画しておくことで、
住み始めてから「こうしておけばよかった」と思う場面を減らせます。
打合せの際は、普段の生活の中で「どこで・何を・どう使っているか」をぜひ共有してください。
一緒に考えることで、より快適で安全な住まいづくりにつながります。