Useful Column
家づくりを始めるとき、まず大切なのが「資金計画」です。
単に「いくら借りられるか」だけでなく、「これからの暮らしを見据えて、どんなお金の使い方をしていくか」を考えることが重要です。
ここでは、資金計画の基本的な考え方と、無理のない予算の立て方についてお話します。

資金計画を考えるときに大切なのは、「住宅のためのお金」だけに目を向けないことです。
「人生の三大資金」と呼ばれる 住宅資金・教育資金・老後資金 のバランスを考え、「人生全体のお金の使い方」を考える必要があります。
たとえば、お子さまの進学や留学に備える教育資金、退職後の生活を支える老後資金などは、どちらも将来的に大きな支出となります。
住宅ローンの返済を優先しすぎて、これらの準備が難しくなってしまうと、後々の暮らしに負担がかかる可能性もあります。
大切なのは、「家を建てること」だけでなく、「建てたあとも安心して暮らし続けられること」。
将来を見据えて、家・教育・老後の3つの資金が無理なく共存できる計画を立てましょう。

資金計画のポイントは、「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返せるか」です。
金融機関では、収入に対してローンの返済が占める割合(返済比率)が 30~35%以内 になるように審査を行うのが一般的です。
これは、住宅ローン以外の支出も含め、生活に無理が生じない範囲での返済を推奨しているためです。
「貸すも親切、貸さぬも親切」という言葉のとおり、銀行が慎重に判断してくれるのは、将来の返済に困らないためでもあります。
とはいえ、資金を抑えすぎると理想の住まいが叶わない場合も。
住宅の性能・間取り・デザインなど、譲れない部分と調整できる部分の優先順位を整理しながら、ちょうど良いバランスを探していきましょう。

家を建てることは、家計を見直す良いタイミングでもあります。
住宅ローンの返済を始める前に、日々の支出の中で「無駄な固定費」や「見直せる契約」がないかをチェックしておくと安心です。
例えば、保険料や通信費、サブスクリプションサービスなどを見直すことで、月々の負担を軽くできることもあります。
また、住宅ローンの返済が始まっても「趣味や旅行を我慢しなければならない」と感じるようでは、長く快適な暮らしは続きません。
家を建てた後の“暮らしの豊かさ”も大切にできる計画を立てましょう。
